…そりゃあ、あのルックス。
顔はわからなかったけど、あれだけのスタイルを持っているなら…
女の子達が放っておくわけがない。
「………亜希?」
「ん?」
「なんでそんな……、悲しそうなの?」
紗弥にいわれて、思わずピクっと肩が揺れた。
「悲しそう?」
「うん、すっごく」
「……そんなことないよ」
そう笑ったあたしを見て、今度は紗弥が悲しげな顔をする。
紗弥は本当に優しい。
普段の紗弥なら、あたしに似合いそうな男の子なら
『声かけてみようよ!』
なんてはしゃぐのに
彼がバレンタインコーナーに居るのに気付いて、気を使ってくれた。


