「華っ」 「きゃっ!びっくりした」 ざわめく休み時間の廊下で突然背中をつつかれて、私は教科書を落としそうになりながら後ろを振り返った。 わざわざ顔を見て確かめなくても、やったのが誰かなんて声でわかってるんだけど。 「斗真くん…、驚かさないでよ」 「相変わらずいつもケータイ見てんだな、お前は」 「……」 話しかけられただけで、ドキドキが止まらないから ホントは気付かれないうちに、早く離れてほしいのに 「今日はオレの練習見てかないのかよ」 ドキッ!