「前から思ってたんだけどさー、華の書く小説の男の子って、なんか隣のクラスの木崎っぽいよね」
「…っえ、うそ!」
ギクッとした胸の中で、ドコドコと鼓動が高鳴った。
自分でもそう思うんだから、やっぱり勘がいい人にはそう思えるのか。
そう考えると、読まれるのって自分の気持ちを見られてるみたいで、なんだか恥ずかしい。
「そ、んなことないよ。そういうタイプのキャラって、今サイトで流行ってるから」
「そうなの?でもいつもそこから練習見てるし、放課後もグラウンド横の芝生で書いてるみたいだったから。誰かをモデルにして書いた方が書きやすいのかなって思ってた」
「あ、あー…」
どうやら気持ちまで気付かれてるわけじゃなさそう。
でもさらに突っ込まれれば、だんだん肩がしぼんで体が縮こまっていく。
「そういえば、華ってよくあいつに話しかけられてるよね」
「いっ!?」

