―― !! 「吉沢さん!!」 俺は大きな声を出し辺りを見回した。 繋いでいた手の先に、彼女の手はなかった。 「あら先生、お目覚めですか?」 俺と目を合わせた看護師が声を掛けてきた。 「ここは……どこ?」 「……先生、頭打ちました?」 そういえば、頭……ぶつけたっけ。 ……公園で。 いや、そうじゃなくて。 「あの……さっき運ばれた患者さんは?」 俺は自分の頭の心配より、吉沢 ユウコの心配をした。