「さぁ……帰ろう」 俺はドアのノブを握った。 確信はなかったけれど、このドアをくぐれば、現実世界に戻れるだろうと思った。 鈴の音が俺達を呼んだような気がしたから。 彼女もコクン…と頷いた。 きっと、同じ事を思ったんだろう。 俺は後ろを振り返った。 小学生の俺が生きた時代。 大した悩みなんてなくて、毎日遊んで楽しかった時代。 「さようなら……みんな。またな」 俺はそう呟いてノブを回した。