……いや、そんな事はない。 神はきっといる。 だって、今…こうしているのは、きっと神が与えてくれた彼女へのプレゼントなんだ。 死へ向かう彼女が俺と会ったことは、まだ……生きろって言う神の意思のように思えてならなかった。 沢山ある病院の中で、俺の勤務している病院に運ばれてきた事が、そうなんじゃないかって。 「私……自分から道路に飛び出したんだ」 それは、自殺しようとしたって事。 看護師からは『事故』の患者と聞かされていたが、今の彼女を知って、驚くことはなかった。 むしろ、納得できた。