「そんな事、あるわけないじゃないか!!」 俺は怒鳴っていた。 何故か目に涙が溜まる。 なんか……悔しかった。 自分は大した悩みもなく、ただ来る毎日を過ごしていたのに、彼女は毎日を必死に過ごしていたんだろう。 そしてやっと手に入れようとした矢先、彼女の手から幸せは零れ落ちてしまったと言うのか。 神は……いないのか。 医者をやっていると、事あるごとに神に祈っていたのは……無駄だったのか。