「そ、それで吉沢さんはどうしたの?」 口が震えて上手く言葉が出なかった。 「私は……親戚の家を転々と。この年になって、ようやく幸せを掴めるかと思ったら……」 彼女はそこで口を閉ざしてしまった。 幸せを掴める? 「それって……結婚とか?」 俺のその言葉に、彼女は悲しそうに微笑んだ。 「私は幸せになれないように出来てるのかな?」 とても悲しい一言だった。