「吉沢さん、もう少し遊んでからでもいいんじゃない?」






俺は、今にも何もない所へと足を踏み出そうとしている彼女に、そう声を掛けた。








…………。








沈黙が重く感じられた。




無理矢理、彼女を捕まえようにも距離があり過ぎる。




少しでも俺が近寄れば、空へと飛び立ってしまうだろう。






俺は彼女の返事を待つことしか出来なかった。