「先生、交通事故の患者が運ばれてきました」






外とは打って変わって静かな仮眠室に、当直の看護師の声が響いた。






「年は?」




「30代くらいの女性です」






―― ドクンッ……






何故か心臓が大きく跳ねた。




いつもなら当たり前に出てくる『わかった、すぐ行く』の一言がすぐには出てこなかった。






第六感…というものだろうか。






昔から嫌な事というのは良く当たる。




例えば、抜き打ちテストとかやりそうだなぁ…なんて思っていたら、本当にテストをやったとか……




夕飯、嫌いなピーマンだったりして…なんて思っていたらピーマンの肉詰めだったとか。






まぁ、大した第六感ではなかったが、俺って凄くない?




……なんて思ったりしていた。