―― リーン… 上の階から、あの鈴の音がした。 ……屋上。 小さい鈴の音なんか聞こえるはずもないのに、俺は確信をもって屋上に向かって階段を上った。 階段を登り切ると、目の前には古い扉が一つ。 ノブを回し、力を込めて扉を押すと……ギィ…という金属音と共に外から光が入ってきた。 そして……モワッと、なま暖かい空気がまとわりついた。