「大丈夫なら、続きやろーぜ」 友達の誰かの声がした。 「どうする、ヒロト?」 サトルは心配そうな顔をして俺を見た。 「ああ、平気。やり直そうぜ」 頭を軽くさすりながら俺は無理に笑顔を作って見せた。 「おーし、じゃあ鬼はヒロトな。10数えろよ」 その一言で、集まっていたみんなはそれぞれに散っていった。 「いーち…にー……」 俺はゆっくりと数えながら、走っていくユウコの後ろ姿を目で追った。 姿が小さくなるのを俺は眺めながら、10を数え終えようとしていた。