「んー…地位にモノを言わせて市民から税金というのか?それを高値で貧しい者からも奪う輩は嫌いだな。それと上っ面だけの奴も嫌いだ。見ているだけで腹が立つ!」

「つまり、僕もそんな奴だったら子供だし軽くやっつけてやろうと思った訳だ?」

「そうそう、子供だし…って、あ!
 いやいや滅相もございません!!」

まったく、そのとおりだったのでロキスは頷きそうになり慌てて否定した。
その言動にレセルは別に怒るでもなく、ロキスの顔を凝視する。

(う…か、可愛い)

改めてレセルを見たロキスは素直に、そう感じて胸中で呟く。
子供だが端整な顔立ちをしている。
将来は必ず美男子になるだろうとロキスが思っていると黙って凝視していたレセルが口を開いた。

「魔王のくせに人間想いだね。
 本当に魔王なの?」

「なっ!!正真正銘の魔王だ!!」

(前言撤回!!やっぱり可愛くない!)

ロキスがキッパリ言い返すとレセルは馬鹿にしているのかいないのか、意味深に笑う。