その言葉にロキスは剣を受け取りながら苦笑した。

「それは大丈夫だ。『魔王は不死身だ』って言うだろう?」

「どういう意味?」

冗談を言っているのではないかと冷えた目を向けるレセルに、
ロキスは言い難そうに言葉を続け真実を告げる。

「死なない身体って事さ。呪いみたいなものだな」

博識なレセルでも知らない知識だったのか、
信じられないという眼でロキスを見つめた。

「それって…本当の話?」

「こんな事で嘘ついてどうするんだよ。そろそろ、出ようぜ」

腰の鞘に剣を収めてロキスは何度も頷き苦笑する。
すると、レセルは深刻な顔になり下を向く。
もしかして、同情させてしまったのだろうかとロキスが気にして声をかけようとすると、

ドンッ

「どわっ!」

突如、激しい雷が降ってきてロキスは地に倒れる。

「おい…っ…何をする…」

 痺れる体を懸命に起こし、ロキスがレセルに聞くと感心して呟く声が上からした。

「ホントみたいだね。致死量の雷を放ったのに動けるんだ」

「普通、試すかよ?この小悪魔め…」

「ふーん…もう二、三発攻撃されたいみたいだね」

「わーっ!俺が悪かった!今の言葉は取り消す!だから、やめろって!」

攻撃されてなるものかと素早く立ち上がりロキスは必死で懇願する。

「ぷっ…本気にしないでよ」

「!」

 初めてレセルが笑い出したので、ロキスは驚き眼を奪われた。