「だって〜逃げてるだけだったじゃないですか!何ですか!?私が女の子だから攻撃できないっていう甘えた考えですか!?貴方はそれでも魔王ですか!?」

「す、すみません…」

指をさされて怒られたロキスは肩を落として素直に謝る。
その光景を見たレセルはクスクスと笑い出した。

「ホント、魔王には見えないよ」

初めて満面の笑顔で笑うレセルを見たロキスは赤面する。

(やっぱり、こいつ…可愛い)

この時に芽生えた気持ちを、ロキスが恋だと知るのは、まだまだ先の事だった。