「飲みたいんすか?」
今度は男の子がレモンジュースを差し出す
「いや…いいよ」
私は手を振って拒否をする
「今日はミルクティーじゃないんだ?」
聞くと"ああー"っと私から目をそらす
「はい」
「ふーん」
会話が途切れる
バスが来るまであと5分
私はふぅっとため息をする
早く来ないかなぁ
「ミルクティー美味しいですか?」
「は?」
いきなりの質問に
私はマヌケな声で
返事をしてしまった
「いや…べつに…好きってわけじゃないけど…」
「そうですか」
また会話が途切れて沈黙が続く
彼はレモンジュースのフタを開けないまま
ポケットに手を突っ込み立っている
私もまだミルクティーを開けていない



