「え!ホント?」


閉まっていたカーテンを勢いよく開けた。


『あ、みっちゃん見えた!』


「…ホントだ~。圭君!今行くから、ちょっと待っててね?」


電話を切って、急いで階段を駆け降りる。


今は、12月。


まだ雪は降ってないけど、夜はすごく冷える。


何で、家になんか……


半信半疑のまま、ドアを開けた。


「…圭君?」


「あ、みっちゃん。いきなりごめんね?」


「ううん、いいけど…寒いでしょ?中入って?」


「ちょっと外出ない?」


「え?うん。じゃあ、ちょっと待ってて!」


一度部屋に戻って、コートとマフラーを持った。


階段を降りる時にちょうどママに会って、出掛けてくることを告げた。


「お待たせ!」


「おぅ!じゃあ、行くか!」


「どこ行くの?」


「ん?内緒♪」


「え~?教えてよ!」


「楽しみがなくなっちゃうだろ?」


「そっか…じゃあ、もう聞かない」


「ハハッ!みっちゃん、昔と全然変わらないな♪」


「……それって、誉めてる?」


「誉めてるつもりだけど?」


「なら、いいや!」


「……みっちゃん、これからもそのままのみっちゃんでいてね。」


「…え?」


一瞬、圭君がすごく切なそうな顔をした気がする。


「みっちゃん、もうすぐだから!」


「あ、うん…」


だけど、すぐにいつもの圭君に戻った。


不思議に思いながらも、後をついて行くと…


そこは、小学校だった。


「よっと!」


圭君は軽々と玄関の柵みたいのを乗り越えて、中に入った。