その日は睡眠なんて取れるわけもなく、朝を迎えた。


今日は、日曜日。


ホントは学校に行かなくていい日なのに、生憎模試がある。


重い体を起こして、学校に行った。


無理に頭を切り替えて、模試を受ける。


そして、お昼休み。


ポテチを食べながら、あたしは彩花に尋ねた。


「あたしさ、随分前に“あたしの夢は、可愛いお家(=庭付きの一戸建て)にあたしのことを愛してくれる優しいダンナさん(=白馬の王子)と二人の愛の結晶である可愛い子どもと住むこと”って言ったことあったよね?」


「あぁ、そんなこと言ってたわね。半年前ぐらいに…それがどうしたの?」


「じゃあ、彩花は運命の赤い糸って信じる?」


「あたしは…、信じないかな。運命なんて自分でどうにでも変えられるでしょ?」


「…そっか~」


「美鈴、何かあったの?今日のあんた、可笑しくない?」


「そ、そうかなっ?」


「うん、絶対可笑しい!何があったの?」


「な、何にもないよ!」


「まさか昨日、楓君と何かあったんじゃない?」


“楓君”


その言葉に、あたしの顔はボンと爆発した。


「あ、顔が赤くなった!やっぱり何かあったのね!何があったの?包み隠さず、白状しな!」