「うん。」


「俺は2人兄弟の次男なんだ。」


「お兄さんがいるの?」


「うん。でも兄は家を出たんだ。まぁ、親と縁を切ったってこと。」


「えっ!」


「俺の両親は医者なんだ。それも、咲季が通ってる西南総合病院の理事長なんだ。」


「理事長?」


「咲季と交際している事は話した。だから、病気の事は言ってないんだ。親父は俺を兄貴に代わって理事長にさせたがってる。結婚も政略結婚になりそうなんだ。でも、俺は地位も名誉も金も全て捨てるつもりでいる。何があっても咲季と一緒にいたいから。」


「……。」


涙が頬をつたる。

大翔は大きくて温かい手で涙を拭いてくれた。


「両親が何と言おうと気持ちは変わらない。愛してる。一生愛すから。悲しい思いをさせるかもしれない。そのぶんもっと幸せにさせるから!」