私はもう、大翔には何も隠さなくてもいいと思った。


あんなに気にしていた手術の痕も大翔の前では、全く気にならなかった。


あたしは、大翔に全てをさらけ出して、愛を誓った。

「綺麗な傷だ。この傷は咲季の生きている証なんだ。一生懸命闘ってきた証なんだ。」


この傷をみせるたび、人は何があったか聞いてくる。自分勝手で相手の事なんて気にしない。見えているのは自分だけ。


何回傷つけられただろうか何回母に当たっただろうか

でも、今あたしは、傷つけられた分の隙間を愛で埋めようとしている。


信じて、愛してくれる、
大切な人に出会ったから。


「大翔。愛してる。」



「咲季。今日泊まって。」


「うん。母に言わなきゃ。」




この夜私たちは、何度も互いの愛を確かめあった。