あたしは小さく溜息をついた。 『何っ溜息ついてるんだよ?』 突然に耳元で聞こえた空雅の声を 聞き顔が赤くなるのがわかった。 「えっ…えっ…な、何でもないよ?」 『ふぅ~ん? あっ愁、俺帰るから』 愁にそう言いながら 手をヒラヒラと振って家から出て行った空雅。 …かえっちゃった。 もう少し喋ればよかった。