一体どこから聞いていたのだろうか?

「北川先輩!圭くんに気に入られているからって、無理難題を押し付けないで下さい」

「いや、無理難題とかじゃなく…」

仁王立ちで俺に怒る高野さんに信じて貰おうと努めるが聞く耳を持たないようだ。

「だいたい木から上って進入するような、オマヌケな人が居る訳…」

「はいは〜い!そのオマヌケな人で〜す」

「おわっ!」

突然、背後から望月が現れ俺は驚いて飛び退く。
その望月登場に高野さんだけでなく三浦も驚いて凝視していた。

「望月千夜です」

にっこりと微笑み高野さんと三浦の手を取って、望月はブンブンと握手を交わす。

「あ、は…初めまして…高野祐子です」

「祐子さんですね〜よろしく!」

モデルな顔立ちの望月に、高野さんは顔を赤らめて動揺している。
無理もない。
俺も望月が美女であったなら、同じような反応をしたかもだ。

「君は?」

赤面はしていなかったが、三浦は奇異の眼を望月に向けているようだった。
茫然としていた三浦は名前を聞かれて我に返り、慌てて自己紹介をする。

「み、三浦 圭です。宜しくお願いします」

「圭くんですね。宜しく」

手を離された後も、三浦は望月を凝視していた。
どうしたんだ?
もしかして、知り合いだったりするのだろうか?