「俺たちってさぁ、ずっと近い距離にいたと思ってたのに…実際すげぇ遠かったんだよな」 直人はそう言ってあたしのことを抱き締めた。 「今まであたしが見てきたのが、偽物の直人だとしても、あたしはそれも含めて直人のすべてが大好きだよ。 だから、これからは強いとこも弱いとこもあたしには見せてほしい。 本物の直人を全部見せてくれる?」 「…もちろん。 もうお前も存在理由なんて聞かなくていいよな」 「え…?」 「だって本当に俺はトモのこと、求めてるんだから」