中に乗り込んだ途端、いきなり直人に抱き締められる。

「ちょっと…」

抵抗しようとするけど離してくれない。


「ごめん、最低なのは分かってるけど…
こうしてないと俺、おかしくなりそう」


切ない声で言われて胸がズキっとした。


「離して…」


弱々しい声でそうつぶやくと、直人の手の力がゆるんだ。


「中途半端に優しくしたりして、直人に縛れちゃうのはもう嫌なの」


いいタイミングでドアが開いたので、急いでその場から逃げ出した。