いつも通る交差点に差し掛かったとき、あたしの足は止まった。


体中の力が一気に抜けるのを感じながらも、意志とは反対にその場から動くことができない。


あたしの視線の先には
年上の女性と楽しそうに話している直人がいた。


結局いるのよね、そういう人が。

分かっていても実際に目にすると傷つくなぁ…

しかも彼があたしに見せたことのない笑顔で笑っていたから尚更…

別に直人はあたしの物じゃないのにね。