「…ああっ!お前、もっと丁寧に扱えっつーの!」



葵がリビングに向かって声を掛けると、ムダにデカい細身の男が慌てて神戸ひまりパネルを取りに来た。




そう、コイツが奏。



兄弟3人が一緒に揃うのはなかなか久しぶりだ。



玄関先で会話する奏と葵の姿をマジマジと見る。



二人とも俺より身長がデカい。


二人とも骨っぽくて男らしい。


二人とも悔しいが顔はまさにイケメン。






……………で?


俺は?


真ん中の俺は?



身長は165センチから一向に伸びないし、顔はカッコイいよりカワイイ寄り…




ふざけっ!



なんで真ん中の俺だけタイプが違うんだよ!




こうも二人と違うと自分だけ橋の下から拾われてきたんじゃ…と疑ってしまう。




「……ったく……あれ、泉。いたんだ。」



「おっそ!気づくの遅っ!」




神戸ひまりパネルを大事そうに抱えた奏はようやく俺の存在に気づいたらしい。



「てか、それジャマだから部屋しまっとけよ!」


「お前ひまちゃんに向かってよくそんな口が聞けたもんだな!」



「いや、だって年下だし!つーか、よく知らねーし!」



その言葉を聞いて奏は意味深にニヤリと笑みを浮かべた。



う…背筋に悪寒が…