普段は奏の話なんか、ほとんど聞いてないけど“儲け話”はマジメに聞いていい話である。


コイツの儲け話はリアルに儲けられる。


こういうときばかりは芸能関係の仕事をしていることを褒めてやりたくなるな…。




「………わかった。急いで帰る。」



『相変わらずがめついのな~お前。』



「うるせぇ。」




奏の返事も聞かずに電話を切ると、自分の分のウーロン茶を入れて席に戻った。




「おそいよ-!」


「奏から電話きた。」


「えっ?」



奏という言葉に敏感に反応するハルの前にメロンソーダを置く。





「アイツ今日は早めに帰ってくるみたいだけど、ウチ来れば?」




「ん~……行きたいのは山々なんだけど明日までに提出の課題が山積みなんだよ~!」



「山積みのやつがのん気に買い物なんかしてんなよ。」



「うっ…もっともなこと言わないでくれる~!」




ハルはほっぺたを膨らますとテーブルを悔しそうに叩いた。



課題より葵のプレゼント選びが上とは…



身内の俺の何十倍もイイヤツだな。


イイヤツっつーか…アホと言ってやりたい。