「だけどね、男の子が苦手なひまちゃんには荒療治だけどコレが男の子に慣れるイチバンいい方法だと思うんだ!」



「いやもっとほかにあると思うんだけど…」


「それに!やっぱり恋する乙女の気持ちが分からなきゃ演技だって良くならないよ。台本読んで「~だろうな」なんて上辺の演技だけじゃ全然感動できない。ひまちゃんだってやるなら徹底的に、そして完璧な演技したいでしょ?」



「うっ……うん…」



やるからにはちゃんとやりたい。


生半可な気持ちでなんかやりたくない。


お金を払って見に来た人に失礼だもん。


やっぱり役になりきるには、それなりの経験があればあるほど感情移入しやすいんだろうけど…




「大丈夫!性格はともかく…素性の知らないヤツじゃない、身元がハッキリしてて何かあったら僕がちゃんと責任取れるヤツを用意したから!安心して!もちろん一般人よ?」



いやいや…性格が大事なんじゃ…



「明日、顔合わせね♪」



「明日!?」


「善は急げっていうじゃんか♪」


「急すぎるよー!」




明日には


あたしに


初めて彼氏が出来る





…って、


なんなのこのありえない現実は!


いやああぁぁ!