シュガーベイビー★キス

「いや…これでもだいぶ…慣れたほうかと…」



「ははっ☆確かに。出会ったときは目も合わせてくれなかったもんね。」



「…そうだっけ？」



「忘れてるし！」



樹くんと出会った頃なんて毎日緊張しっぱなしで自分がどうだったとか覚えてないよ…



未だに緊張するし慣れないけど…樹くんはあたしが唯一会話が出来る同年代の男の子。



「よいしょっと。大丈夫か？」



樹くんはあたしが離した手をもう一度取り、引っ張りあげるとスカートについたホコリを丁寧に手で払ってくれた。




こういうのを自然と嫌味なくやってのけるところがスゴい。



自然すぎてあたしは慌てることすら忘れていた。



「じゃあ始めるから位置ついてくれるー？」



カメラマンさんの声でハッと我にかえったあたしは小走りでお姫様ベッドが置かれたやたらキラキラしたセットに小走りで向かう。



よし…


仕事モードに



切り替えっ！