「だって色々っていうから…心配になるよ。」



ようやく顔を元の位置に戻したが奏くんは眉間にシワを寄せていた。



「イジメとかじゃなくて…今日はちょっとね、学園のアイドルに会っちゃって大騒ぎだったんだー…色々。」




あたしは思いっきりぶつけた鼻の頭を軽くこすって答える。



『ぶっ殺す』

って、言われたなんて奏くんに行ったら血眼で泉サマ探してボコボコにしそうなので、それは黙っておくことにした。




「アイドル?」



「そう。あたしも今まで知らなかったんだけど、ウチの学校に男女問わずモテモテの男の先輩がいてね、すっごいカワイイんだ!」