シュガーベイビー★キス

ナイスコントロールで台拭きが葵の顔に当たったあと、みそ汁の中にボチャンと落ちた。




………ざまぁ。





「…じゃあ何だって言うわけ?」



怒ることもなく台拭きを取り出し、何事もなかったようにみそ汁をすする葵。



いやいや…ちょっとはリアクションしろよ。






「あの日は、とりあえず何もしてない。添い寝程度だ。」





キスしたけど。




「それで、まあ…なんつーか決意表明した。」




「決意表明?」




「アイツにとって今いちばん大事なのは仕事だから、仕事がひと段落ついたらちゃんと言うって約束したんだよ。」




「え。何ソレ。つまりまだ告白してないってこと?」




「まあ…確かに…ハッキリ好きだとは言ってない。」




「は!?」




「でもハッキリは言ってないけどそういうニュアンスの発言は今までしてきたし、向こうにも伝わってる、多分。」




「あんたバカ~!?」




みそ汁茶碗をドン!とテーブルに置き、葵は新世紀のロボットアニメに出てくるお馴染みのセリフを吐き捨てた。




どうでもいいけどそのモノマネ、いる?




「仕事の邪魔しないように付き合わないって気持ちはなんとなく分かるけど、なんで好きな気持ち伝えることすら後回しにしてんの!それはないわ…ひまちゃん可哀想~。」





え、そうなの?


特に深く考えてなかったっつーか…


そんなこと今さら言わなくてもアイツも分かってると思ってたし…