シュガーベイビー★キス

「無理矢理押し倒したことは謝る。だけど…俺、ひまりのこと諦めないから！今は泉くんに負けてるかもしれないけど…いつかひまりが振り向いてくれるまで待ってるから！」



そう言うと樹くんはニカッと笑ってみせた。



樹くん………




「樹くんの気持ちスゴく嬉しい………けど、多分今のとこ振り向く可能性はないかと……」



「それ今言っちゃう！？」



「あ、ごめん…！」



「いいよいいよ、謝んないで！すっげー惨めな気分になるから！」





さっきまでのシリアスなあたしたちはどこへ…


樹くんと話しているうちに気づいたらあたしまで笑顔になっていた。



デビュー当時から樹くんは優しくしてくれて、人見知りのあたしでも樹くんとなら話すことが出来た。




だからすごく大切な存在に変わりはないんだけど…




違うんだ。



恋愛感情じゃないみたい。





「でもいいの？天下の西山樹をフッたなんて樹ファンが聞いたら黙っていないよ！？」



「だ、だよね…どうしよう………」



「いやいや冗談ですから。真剣に受け止めないでくれる？」



「ご、ごめん………」



「謝らなくていいから！……で、泉くんとはいつから付き合ってるの？」



「いや…付き合ってはいない…けど…」



「え！？付き合ってないの！？じゃあ告白は！？された！？」



「ちゃんとは……されてないような…」




「何ソレ！」




確かに…


本当、何だろうソレ。