「だっだだ大丈夫です!樹くんには、迷惑かけないようにするから!」



「顔赤くしちゃって…そんな可愛いことされると、萌えるし燃えるわ。」




も、もえる?




「キスは肩に力が入ってちゃ~ダメダメ。力を抜いて?俺がリードするから。」



「あ、ありがとう…」






リードされると思うとますます緊張するけど……





そしてキスシーンの撮影が始まった。









「……先生、話しってなぁに?」





「…この前の放課後のことなんだけど。」






ふと、泉サマと本読みしたときの記憶が蘇ってきた。






「放課後…って、何だっけ?」



「……好きだ、って、言ってくれたろ?」




「あぁ…はい。」




「あれって…どういう意味。」




『…そう。お前が可愛いからキスしたくなった。』




『神戸は、俺の彼女だ。』




泉サマとの思い出が


セリフを言いながらもぐるぐると駆けめぐってる。





泉サマと出会ってから、


あたし変わったよね、きっと。






「先生に迷惑かけてるのは分かってる……分かってるんだけど………先生じゃないと…ダメなんだよ。先生のこと大好きなんだもん。」







泉サマのこと、好きだもん。





あ。




あたし…



樹くんを、先生を、泉サマに重ねてるかも…




そんなことを考えてるうちにいつの間にかキスが終わっていた。