シュガーベイビー★キス

そう思いながら口を開ける。



「はいっ、あーん♪」




またフラッシュが光る。




「いいねいいね!可愛い!超かわいい!もっとくっついてくれる!?顔をこう!ピタッと!」



「はい!」




待て待て…待てって。


なんでそんな平然としてんだよ…



あ、仕事モードだからか。



神戸は俺の腕に自分の腕を絡ませちょこんと肩に頭を乗せる。



カメラマンの要求はさらにエスカレート。




「ちょ、鼻!鼻と鼻くっつけて!!」







はー!?
何言ってんじゃ変態カメラマンが!!



正気か!!




「はい、泉ちゃん!ひまちゃんの顔見て~。もう準備出来てるよー。」



「え!?」




カメラマンに言われ、横を見ると神戸は目を閉じ両手で頬杖をつき待っている。



準備早ッ!



あーもー何なの。



完全にキス待ちの顔じゃん。



完全にドキドキしてるじゃん俺。





いいのか神戸…



お前はそれでいいのかっ!




仕事だと思えばこんなに割り切れるもんなのか…



なんかちょっと悲しくなるんだけど…






『…………あたしも…泉………先輩となら…キス…したいです………』





考えるな…考えるな俺。




目を閉じ、鼻をくっつけた。




本当に何やってんだろ




俺。