シュガーベイビー★キス

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「……ジロジロ見んなっ!」




アホみたいな格好でアホみたいに見てる神戸の頭をバシッと叩く。





「ほ、ホンモノ!ホンモノの泉先輩っ!!」



「うるせぇ!騒ぐな!」





あー…もー…!
何でこうなる!



ありえねぇ。



自分でも分かってる。




何やってんだ俺!




可愛いのがコンプレックスなのに、その俺が女装…しかも、こ…こんなふざけた格好するなんて……






生き地獄もいいとこだ。




こんなところを学校のヤツにでも見られたら……




…もうそんな想像すらしたくねぇ。





奏の野郎…



覚えとけよ?




今回は神戸のためにやってやっただけで、これが最初で最後の女装じゃ!!



次、また変なことに巻き込んだらリアルに兄弟の縁を切ろうと思う。










…………………………………







え、ちょいちょい…
ちょっと待て、俺。




つーか、



神戸のためにやってやったって







ナニ?

ナニよ。





何言ってんの俺。




神戸のため?



あはは…



違う違う…



お金が欲しかったんだよ俺は。そうそう、お金が欲しかっただけ。


神戸の出番が減らないように、神戸に迷惑かけないようになんて、



そんなこと思ってないから!



勘違いすんな俺!


大人の余裕…大人の余裕!