シュガーベイビー★キス

「あの…失礼ですが…またって……お会いしたことありましたっけ?」



「あぁ、ごめんなさい!こうやって面と向かって話すのは初めてだけど、前にドラマの現場で見かけたことがあって。どこかの事務所に入ってるかと思ったけど、素人さんなのよね!?もったいない!宝の持ち腐れね!」




ルリ子さんは息つくヒマもなく一方的に喋り続け、その間泉サマは「はぁ。そうですか。」と適当に相づちを打っていた。




「それで来て早々で申し訳ないんだけど、早速着替えてもらってもいいかしら!?撮影時間が押しちゃっててね~。ヘアメイクの時間もあるし…あ!トイレは必ず先に済ませておいてね!着替えてからだと色々大変なのよね!それから………」




「ちょ!ちょっと!……待ってもらっていいっスカ…。」




「えぇ。」




「………………おいコラ、クソ兄貴。撮影ってどういうことだよ。」





弾丸トークを一旦遮り、泉サマは奏くんの胸ぐらを掴んで詰め寄った。




「えーと…その……ごめん。断り切れなくて…」



「てんめぇ……ふざけんなよ!?」



「あのー…話がよく見えないんだけど…奏くん、どういうこと?」




2人を仲裁するように間に割って入る。