あれじゃまるで…


本当の恋人同士じゃねぇかバカヤロー!!




違う…………




絶っ対違う!





俺がドキドキしたり、キスしたくなったり、アイツが可愛く見えたのは







錯 覚 だ !!





彼女というテイで接していたことにより頭の一部で「俺はコイツが好きだ」という誤認識が生まれてキスしたくなっただけで…



本当の俺は、アイツに恋愛感情なんて持ってない!



そうだ!


これは疑似恋愛から生まれる錯覚だ!




しっかりしろ俺!





「悠太………」



「なに?」



「俺を殴ってくれ。」



「は!?」



「いいから早く殴れ!」



「え~!?意味分かんないんですけど……じゃあ…いくぞ?………っとー!」





悠太の長いリーチから見事なストレートが俺の頬にクリーンヒット。





「……………………」




「い、泉?大丈夫?」




「……………………ってぇな、この野郎!何すんじゃボケー!」




「はー!殴れって言ったのはお前でしょー!わけわかんないんですけど!」








あ、そうか。





ありがとう悠太。




お前のおかげで目が覚めた。




いつもの俺に戻った。





そうだ。




俺が動揺してどうする!




俺は大人の余裕を持ってアイツと接するんだ。




手の平でコロコロ~っと転がすように、大人の余裕を見せないと!





「っしゃー!」



気合い注入完了。