「おう、泉。おかえり~♪用は済んだのかよ。」



「済んだ。」



「あぁそう。俺…行ってくるわ!って学園ドラマのワンシーンのように屋上から飛び出していったくらいだからさぞ急用だったんだろうね…深く詮索はしないけど。」




そう言いながらさり気なく小指を立てて「女」を匂わせる悠太の頭を無言でひっぱたいた。




うるせぇ!
詳しく説明すんな!


惨めになる。




「あー…もー…やめやめっ!考えんのやめた!帰るわ。」



「帰るって、5、6時間目は!?」



「バックれる。どっちみち教科書が使いもんになんねーんだからしょうがねぇだろ。じゃ。」




帰り支度をし、5時間目の始業のベルと同時に教室を出た。




早く帰ったところで、何もすることないんだけど学校にいるよりかはいくらかマシだ。



下駄箱の扉に手をかけたところで、一瞬フリーズした。



朝の出来事が蘇る。



さすがに…


帰りは


ないよな…




そう思いつつゆっくり扉をあける。




「…………なんともない。」




履いてきたスニーカーは無事。イチゴミルクの匂いもしない。



つーか、スニーカーまでやられたらマジいじめだろ。



「…ん?」




ふと、スニーカーの下に封筒が置いてあるのが目に入った。



手紙…か?



開けて中身を確認する。