「失礼しましたー。」



ソイツは職員室を出る瞬間、俺を見るとニコリと爽やかに微笑んだ。



あ…………



あの…後ろ姿…………




「は~☆ホンマ西宮は出来たヤツやわ~。」



「秋山さん!」



「あぁ?」



「今のって秋山さんのクラスの生徒ですよね?」



「せやけど。」



「ちなみに西宮…くんの、下の名前は…?」




まさかな…
そんなわけない


そう思う気持ちとは裏腹になぜだか手の平からはジワリと汗がにじんだ。











「修平やけど?」
















アイツが










昨日の“修平くん”!!





神戸と会う前に、会えないかと思ってわざわざ中等部の廊下をうろついてたけど、まさかこんなとこで会うとは…



こんな顔だったのか…








めちゃくちゃイケメンじゃねーか。




あんな何もかも整ったやつに抱きしめられて、一緒に帰って、それで何もないって…んなわけねーだろ。


しかも名前はクンづけだし、あの神戸がクンづけするくらいだからよっぽど仲良いいんだろうな。


はいはい。
俺の出る幕ないですよ。


サブキャラは引っ込みますよ





……………………………






って、だから!




さっき神戸に言おうとして何とか呑み込んだ言葉が俺の頭をよぎる。







だから、これじゃなんだか俺が、








嫉妬してるみたいじゃん…。