シュガーベイビー★キス

これだけ騒がれてりゃ俺を鬱陶しく思うヤツもいるだろ。


こういうのは気にしないのが一番。


かまってるだけ時間の無駄無駄。




教室に入り、自分の席につく。



えーと…1時間目は…げ、日本史じゃん。教科書ロッカーん中だ。



めんどくせーと思いつつ、教室の後ろにある扉のついたロッカーをいつものように開ける。



その瞬間、びちゃびちゃ!と何かが床に落ちた。





びしょびしょに濡れたジャージと、びしょびしょに濡れた教科書類……




そしてデジャヴと言いたくなるくらいに香るイチゴミルク。




ふ………









「………ふざけんなよコラ!」






気にしないようにと思っていた俺は一体どこへ…



怒りに任せてロッカーを蹴り飛ばすと1番下の段の悠太のロッカーのドアがベコリとヘコんだ。




「だーっ!お前なにしてくれちゃってんのー!」






そしてその瞬間、



俺の中の怒りスイッチがオンになった。






「まだ足りねぇ……ぜってぇぶっ殺す…!出てこい陰湿野郎があぁぁ!!」





「キャー!」


「泉がキレたぞ!」


「悠太早く止めろ!」









「どうどうー。落ち着けチビ!」



「う!」




悠太に羽交い締めにされ、後ろから頭突きをかまされハッと我にかえる。



教室の中を見渡すと机やイスがなぎ倒され、乱闘騒ぎがあったといってもおかしくないくらいにめちゃめちゃになっていた。



やば…これ、俺がやったんだよな。




「ちょっと暴れすぎな。」



「…わ、わりぃ。」




「な……ななななんなのこれはー!」




そしてタイミングよくやってきた担任が腰を抜かした。