「森本が嫌いとか、そういうんじゃなくて………俺は、教師だから…お前をそういう風に恋愛対象として見ちゃいけないんだ。」



「そ…そうだよね…困らせてごめんなさい…あたしっていっつも思ったことすぐ口に出しちゃうから色んな人に迷惑…かけて…ごめんなさい……」



「………森本?」




台本では“ここで自然と涙が溢れ出る小春”って書いてあったけど……



やばい…



本当に涙が出てきた。




今のあたしは神戸ひまりじゃない。




完全に森本小春だ。




嫌だよ…




先生に迷惑かけてるのは分かってるけど…



そんなの分かってるけど…




あたしの目からはボロボロと大粒の涙がこぼれて頬をつたった。





「先生に迷惑かけてるのは分かってる……分かってるんだけど………先生じゃないと…ダメなんだよ。先生のこと大好きなんだもん。」




振り向いてほしい。



お願い。













「………神戸。」





ふと、耳に入った泉サマの声で何かがプツンと切れ、我に返った。