「ああ~…でも映画始まると今以上に学校に行けなくなるからキツいなー…留年したらどうしよう。」



「でも、行けない分はレポート出したりすれば考慮してくれるんだよね?」




樹くんが通ってる高校は、芸能人やアイドルがたくさん通ってる、このへんでは…というか全国的に有名な高校。



だから、そのへんはきちんと配慮してくれていて出席日数が足りない分はレポートだったり小論文だったりでカバー出来るらしい。



そもそも樹くんは頭良いんだしそんな心配はいらないハズなんだけど…



「いや、そうなんだけど、やる気の問題?家だと全然やる気出なくて一向に進まないんだよね~。色々考えることも多いしさあ……特に恋愛のこととか?」




そう言うと樹くんはあたしの顔を見て微笑んだ。




そうか…



「マスコミにバレたら大騒ぎになりますもんね…!」



売れっ子俳優のスキャンダルなんて大変なことになっちゃうよなぁ…





「まあ…そうなんだけど…はあ~…ひまりってやっぱり鈍感…」



「へ?なんですか?」



「なんでもないです……あ、そういえば、台本読んだ?」




「え?あぁ…まだパラパラとしか見てないです。」



緊張しちゃって台本にまで気が回らなかったよ~。