シュガーベイビー★キス

バス停に行くと、ちょうどバスが停車していたので乗り込んだ。



車内は結構混んでいたけど、2人掛けのシートだけたまたま空いていた……




あぁ…もうどうせなら座れなくて立っている方が良かった…




だって…と、となりに座るんだよね…きっと…





何のためらいもなく座る泉サマに続いて、あたしも座る。




ち…………ちちちち






近い!



かっかか体がくっついてる!



右半身が完全に緊張でガチガチっっ!



仕事以外で男の子とこんなにくっついたのは初めてかもしれない…



変な汗が手からじわりと出てくるのが分かった。







「………もしや緊張してんの?」




まるであたしの心を見透かしているように、泉サマがニヤリと笑って言う。



…こ、この笑顔は………




悪魔の微笑みっ!




この微笑みは嫌なことが起きる前触れである、ということに最近気づいた。






「き……緊張…してます…」




ギギギギときしむ音がしそうなくらい、ぎこちなく顔を泉サマの方に向け引きつった笑顔を見せてみる。




「ブッ…!なに、その顔。それでも女優ですか。」




わ…笑われてるし…


もう…泣きたい。