「そんな驚かなくても…」



お、驚くよ!



付き合ってないのに、手をつなぐなんて………っ!



頭がついてかなくて軽くめまいが……



「いや、あたしもそういうつもりじゃなかったんだけど…なんてゆーか自然な流れでそうなっちゃって…まあ悪い気はしないしいっかな~と。」



さらりと言う彩ちゃんはあたしとはもはや別世界で生きているような気がした。




付き合ってないのに手をつなぐなんて…


じゃあ付き合ってからのデートは一体どんなことするのさーっ!




考えただけで顔がゆでだこみたい真っ赤になった。





やっぱりあたしにはムリだよ!デートなんてムリだよおお…!



「でも楽しいよ?デート。近いようで遠いような相手との距離感とか、ドキドキ感とか、ひまりも1回してみたらきっと気持ちがわかるよ!」



「い、いいよ~!あたしはわからなくて結構です…」



「そういうことばっか言ってるからいつまで経っても男の子とマトモに喋れないんだよー!」



「う……そうだけど…」




「あ、ごめん。前言撤回。正しくは“西宮以外”の男子か♪」


「なっ!?」



彩ちゃんはイタズラっぽくあたしの耳元でささやいた。