今まで俺のまわりにいた女は、

ただひたすらにキャーキャーうるさいのとか、

ストーカーチックなやつとか、

やたらと媚びを売るようなヤツしかいなかったから、


そうじゃない女とこうやって会話するのはハル以来かも。








「プッ……いいね。お前面白いわ。」




「お、おもしろい!?」






まるで新種の動物ってかんじ。






「…………あ…あの!あたし、帰ります!!」





おおぅ?



俺の『おもしろい』が気に入らなかったのか、はたまたこの空間がイヤだったのかはよくわからないが、神戸は勢いよく立ち上がった。




「あ、じゃあ、送る。」



「い、いいです!大丈夫です!ひとりで帰れますからっ!」



神戸が首を振るたび三つ編みも揺れて“でんでんだいこ”みたいだった。




「いや…クソ兄貴の命令だから。」


「……奏くん?」




どんな理由があろうがコイツをひとりで帰らせたと知ったら俺がとばっちりを食らいそうだ…。