シュガーベイビー★キス

「俺……お前になんかしたっけ?」



「ななななんかって………きき昨日、廊下で……あたしが可愛いって言ったら………ぶっ…ぶっ殺すって…言ったじゃないですかっ!?」






言ったっけ?



…………言ったか。



言ったな…。




「まあ、あれは売り言葉に買い言葉っつーか…本当に殺すわけねーだろ。」


「…そ、そうなんですか?」



「んなことでいちいち殺してたら、何人殺せばいいかわかんねーよ。」




可愛いなんて何十回、何百回言われたことか…



そんなことでいちいち殺してたら、少なくともウチの学校のヤツらはほとんど死んでいます。



ったく…感情的に出た言葉をリアルに信じてたとは…



今どき珍しいアホだな。






「よかった~………」




そう言って神戸は一気に空気が抜けたようにガクッと頭を下げた。



昭和の香りがする三つ編みがダランと垂れる。




「しかし…神戸ひまりの普段が………コレとは………」



「お、驚きました…よね?」



「まあ…そうっすね…。」