「たぶんもう帰ってきてると思うから、中入って。さあ、どうぞどうぞ。」



「え!?や、ちょっと!」




ちょちょちょ………!



半ば強引に車から降ろされると背中を押されるようにして玄関の前に到着した。



どっ…どどど…どうしよ…


ヒザが笑ってるよ…


今すぐにでも、にににに逃げ出したいっ!



ズズッと一歩後ずさりするのと同時に奏くんがインターホンを押した。



ううううう~!
心臓があああぁぁ…っ!!








ドアがガチャリと開いた瞬間、あたしの身体は硬直した。









黒くてゆるいパーマがかった髪。



前髪からチラリとのぞいたくっきり二重の瞳。


恐ろしくキレイな顔立ち。








「い………………泉……………サマ…?」






どうして泉サマが





ここに?










ど………




どういうこと!?