「ああ…本当今日は疲れたよ。悪いことってなんでこう立て続けに起こるのかなぁ…あたしなんかしたっけ?」
「まだお昼のこと気にしてんの?まあまあ、そう落ち込むなって~!」
放課後、彩ちゃんにポロリとグチを言ってみる。
「アンタがどんくさいのなんて今に始まったことじゃないんだしさ!」
「全然励ましになってないよ!」
教室を出て昇降口へ向かう間、どんより暗いあたしとは正反対に、すれ違う女子たちはみんな目をハートにして泉サマの話をしていた。
同じ人物のハズなのに、まるで違う人の話をしてるみたいだよ…
「今日はこのあとは?仕事?」
「あ、今日はオフなんだ。」
………てゆーか!
泉サマですっかり忘れてたけど、このあと彼氏になる人と顔合わせだよね!?
いやーっ!!
オフだけどオフじゃないよ~…
ますます気分落ちるなぁ…
「…ん?なんか外騒がしくない?」
昇降口で靴を履き替えると、彩ちゃんが外を見て言った。
「どれどれ……って、奏くん!」

