「いや、なにってゆうか…問題、あてられてるよ。」


「…へっ?」



西宮くんが赤ボールペンで黒板の方を指したので、前に目線を戻すと、英語の秋山先生(♂・27歳・関西出身)が呆れたようにあたしの顔を見ていた。



「やっと気づいたか。ったく…何回呼ばせんねん!ほな、サクッと答えてくれる?」



「え!?いや…さ、サクッとと言われましても~…」




てゆーか問題ドコよ!?話聞いてなかったから全然わっかんないよ~!



(彩ちゃんどうしよ…どこ!?どこの話言ってんの!?全然わかんないっ!)


(スマン。あたしも知らん。)


(え~っ!!)




「なにゴチャゴチャ言うとんねん。」



「はいっ!!いや!あの…その~…別に、ゴチャゴチャは言うとりませんが~…えっとー……」




あーもー…
最悪。


もっかい言ってもらえますか?なんて言ったら「あぁ!?」て、スゴい顔で怒られそう…




あたしが苦い顔で申し訳なさそうにゆっくりと立ち上がると、西宮くんの席からサッとノートが飛んできた。