「アンタって芸能人とは思えないくらいホント謙虚だよね~!もう少しガツガツいってもいいと思うんだけど……あ、眼鏡ズレてますよ。」



彩ちゃんに指摘されあたしは慌ててかけていた黒ブチ眼鏡を直した。


目があんまり良くないので授業中はこうやって眼鏡をかけている。



ますます芸能人“神戸ひまり”からかけ離れてく気がする…。







「…べ……神戸っ!」



「……ひゃ!ごっごめんなさい!なななななんですかっ!?」



彩ちゃんとは反対側の隣の席から声が聞こえたので、あたしはビクリと肩をあげて振り返った。



あたしを呼んでいたのは、西宮くんこと西宮修平(にしみやしゅうへい)くん。


明るくて面白い西宮くんは男女問わず人気があって、クラスのリーダー的存在。



おまけに爽やかで顔もカッコイイときたもんだから、女子にモテモテ。



中等部の中では1、2を争うくらいイケメンなのです。



そんなカレと隣の席のあたしは、もちろん毎日緊張しまくり…


一刻も早く席替えをしてほしいっ!